紙ができるまで
How paper is made
How paper is made
私たちの身近な紙がどのような工程で出来ているのか、順を追って解説します。
Process.01
木材や古紙から繊維を取り出し、紙の原料となるパルプを製造します。ここでは木材から作る「化学パルプ」の製造工程を説明します。
木材を細かく砕いて作られたチップを薬品で煮込み、チップの繊維をバラバラにします。バラバラになった繊維を洗浄し、繊維同士を結びつけているリグニンなどの物質を洗い出し、さらに残ったリグニンを酸素で分解します。その後、薬品で漂白し、白いパルプが完成します。蒸解釜の処理で出た廃液(黒液)は回収し、工場の燃料として利用することで資源の有効活用をしています。
Process.02
ここでは、パルプを揉みほぐして紙の強度を高める「叩解(こうかい)」という工程を経ることで、紙に特徴を持たせるためにパルプや薬品の配合を行います。工程そのものは制御室から遠隔操作で行われ、パルプは針葉樹、広葉樹、古紙といった原料ごとに異なる製造方法で作られます。様々な種類のパルプを組み合わせることで、紙の強度を強くしたり、地合を形成・向上させたりします。
Process.03
網の上にパルプを流して水を切り、薄いシート状の紙にします。紙をフェルトに乗せて、2本のロールの間に押し付けることでさらに脱水します。脱水した紙は蒸気で加熱した鉄製のシリンダーに押し付けて乾燥させます。紙の表面に薬品を塗り、ロールの間に紙を通して表面を滑らかにします。その後は、非塗工紙は仕上工程へ、塗工紙は塗工工程にうつります。
Process.04
写真集など用途によって艶や光沢などを出すために、紙の表面に塗料を塗り、ロールの間に押し付けて紙を通していきます。これにより、紙の平滑度や表面強度も上がっていきます。
Process.05
できあがった紙は、紙を巻きなおしてロール状(巻取)にしたり、断裁して平判にし、製品に仕上げていきます。最終の仕上工程では、特に厳重な品質管理がなされており、機械による品質チェックのみならず、目視や触感によるチェックが行われています。